ビットコインのレンディング（貸付）とは、保有しているビットコインを他人やプラットフォームに貸し出すことで、利息を得られるサービスです。銀行にお金を預けて利子を受け取る感覚に似ていますが、ビットコインなどの仮想通貨を対象にしている点が異なります。
レンディングは、仮想通貨を効率的に活用しながら追加収益を得たい人や、借りた仮想通貨を運用して利益を上げたい人の間で人気が高まっています。
ビットコインレンディングの仕組み
貸し手（レンダー）
ビットコインを保有している人がプラットフォームを通じて資産を貸し出し、利息収入を得ます。
借り手（ボロワー）
ビットコインを必要とする個人や企業が、プラットフォームを通じて借り入れます。担保が求められることが多く、利息付きで返済します。
プラットフォーム
貸し手と借り手を仲介し、安全な取引と条件設定（利率や期間など）を管理するサービスです。スマートコントラクトを利用して信頼性を高めている場合もあります。
金利
貸し出しに対して金利（利息）が支払われます。利率は年利（APR）で表示され、数％から10％以上になることもあります。
メリット：ビットコインレンディングの利点
パッシブインカムを得られる
ビットコインを保有しているだけでは収益は発生しませんが、レンディングを利用すれば利息収入が得られます。
長期保有者に最適
売却の予定がない場合、レンディングで保有資産を運用しながら利息も得られます。
借り手の柔軟性
売却せずに資金調達できるため、ビットコインを担保として活用したい借り手にとっても有効です。
リスク分散の一助
価格変動リスクへの対抗策として、レンディングで利息を得ることで一部の損失を補う手段になります。
デメリットとリスク
価格変動リスク
貸し出している間にビットコインの価格が下落すると、元本の価値が減少するリスクがあります。
信用リスク
借り手の返済不能やプラットフォームの破綻により、元本や利息が回収できない可能性があります。
セキュリティリスク
ハッキングなどにより資産が失われる可能性があり、信頼性の高いプラットフォームの選定が重要です。
流動性の低下
レンディング期間中は、貸し出したビットコインを即座に引き出せないことがあります。
ビットコインレンディングを始める手順
- プラットフォームを選ぶ 信頼性、利率、取り扱い通貨などを比較し、自分に合ったサービスを選びます。
- 口座を開設し、ビットコインを送金 選んだプラットフォームでアカウントを作成し、貸し出すビットコインを送金します。
- 貸出条件を設定してレンディング開始 利率や貸出期間を確認し、レンディングを実行します。
- 利息を受け取る 貸出期間終了後、利息を含む返済額を受け取ります。
ビットコインレンディングにかかる税金（日本の場合）
雑所得として課税
ビットコインレンディングによる利息収入は「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。
課税タイミング
- 仮想通貨で受け取った場合：受け取った時点の時価を日本円に換算。
- 日本円で受け取った場合：受け取った金額がそのまま課税対象となります。
雑所得の計算式
雑所得 ＝ 総収入金額（利息収入）－ 必要経費
※必要経費には、レンディングに関わる明確な手数料等が含まれます。
税率と課税方法
雑所得は他の所得と合算され、累進課税（5%～45%）が適用されます。加えて住民税10%も課税されます。
例：
- 雑所得が50万円 → 所得税率5% + 住民税10%
- 雑所得が500万円 → 所得税率33% + 住民税10%
損益通算不可
雑所得の損失は、他の所得（例：給与）と相殺できません。
確定申告が必要なケース
- 給与所得者：副収入が20万円を超える場合
- 専業主婦・学生など：所得が48万円を超える場合
その他の注意点
- 仮想通貨価格の変動により、利息受取後の売却益も「譲渡所得」として課税対象になります。
- 海外プラットフォームを利用した場合でも、日本の税制が適用されます。
まとめ：レンディングは賢い資産運用だが、リスクも理解を
ビットコインレンディングは、仮想通貨を効率的に活用したい人にとって魅力的な手段です。パッシブインカムを得られる反面、信用リスクや価格変動などのリスクも存在します。
自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、信頼できるプラットフォームを選び、賢く資産を運用しましょう。